北朝鮮人権情報センターニュース(16)咸鏡北道(ハムギョンブクト)会寧市(フェリョンシ)保衛部に拘禁中の22歳キム・グァンイル、連日拷問、暴行を受ける 

└ 2012-06-19 08:49

北朝鮮人権情報センターニュース(16)咸鏡北道(ハムギョンブクト)会寧市(フェリョンシ)保衛部に拘禁中の22歳キム・グァンイル、連日拷問、暴行を受ける 

事件の概要

咸鏡北道(ハムギョンブクト)会寧市(フェリョンシ)保衛部に拘禁中の22歳キム・グァンイルは、友人の不法越境を幇助した罪で19日間毎日、拷問や暴行の苦しみに曝された。

事件の発生時期および場所
発生時期(期間) : 2011年5月
発生場所 : 咸鏡北道会寧市保衛部

人権侵害の類型

権利の類型 : 個人の尊厳性および自由権

侵害の類型 : 拷問および暴行 / 不法拘禁

細部な項目 : 殴打(暴行) / 保衛部及び安全部調査及び拘留施設

本事件の被害者キム・グァンイルは友人の北朝鮮脱出を助けた疑いで2011年5月、咸鏡北道会寧市の市保衛部に拘禁されて調査を受けていた。 同じ監房に収監されていた証言者によれば共に収監生活をした19日間、キム・グァンイルは毎日午後や夜中に調査を受けるために監房を出て行っては、およそ二時間後に毎回殴打された後に帰って来たという。 警護員たちは他の監房の同僚たちが見ている前でキム・グァンイルの頭から血が吹き出るほど壁に強く打ちつけたり、頭を殴りつけたり、足で容赦なく蹴飛ばしりしたという。 また、被害者が廊下に呼び出され、立ったり座ったりすることを100回繰り返させた後、気絶した事実も証言内容に含まれている。 キム・グァンイルに対する人権侵害は警護員たちの直接的な苛酷行為で終わるのではなく、同じ監房の囚人たちに暴行を命じて団体暴行を加える暴行教示まで拡大した。

事件当時キム・グァンイルの父は書類上死亡したことになっていたが、保衛員がキム・グァンイルの父の墓を掘り起して死体がないことを発見することで、キム・グァンイルの父が韓国に脱出したという結論に至った。 証言者によればキム・グァンイルの拘禁と父親の死亡偽造によって看護婦養成所の校長だったキム・グァンイルの母は都市建設労働者に降格され、キム・グァンイルは未詳の管理所に送られたと推定されるという。

“19日間一緒にいましたが毎日殴られます。 十五回は殴られただろうと思います。 目の周りが破裂して腫れあがり、激しく出血して目に入ったという話です。 (事実を)告白しないので殴られましたし、もっと洗いざらい話せと言って殴られたりしました。 グァンイルは腐った飯すらも、3日も貰えず飢えさせられたこともあり、余りに殴られ過ぎて立ち上ることもできないほどでした。”

被害者

キム・グァンイル(男、1989年生れ、咸鏡北道会寧市鰲山徳洞(オサンドクトン)アパート、未詳の政治犯収容所に拘禁と推定)

加害容疑者(機関)

0グワンヨン(男、1981年生れ、咸鏡北道会寧市南門洞(ナムムンドン)、咸鏡北道会寧市保衛部警護組長)

情報提供者

情報提供者は事件を北朝鮮で直接目撃し、2011年韓国に来た後これに対して証言したが、自身の身辺安全上の理由から実名の公開を許諾しなかった。

情報受付時期 : 2012年4月

情報受付場所 : 北朝鮮人権記録調査室

情報受付方法 : 面談調査

情報取得および事件分析者 : 北朝鮮人権情報センター研究員

検証者 : 北朝鮮人権情報センター北朝鮮人権事件リポート検証委員会

国家安全保衛部は北朝鮮のキム・ジョンイル体制を支える核心機関で、政治犯の探索および逮捕、調査、そして政治犯収容所の管理と運営を専門に担当している。 国家安全保衛部は北朝鮮の刑事訴訟法で安全保衛機関と称され、反国家および反民族犯罪事件に対して排他的な管轄権を持つ。

国家安全保衛部は犯罪者を拘禁する目的を持つ機関ではないが、保衛部内の拘留場では効果的な尋問のために犯罪容疑者を最大4ヶ月まで拘留・拘束できる。 しかし、保衛部に収監された犯罪容疑者たちは有罪かどうかには関係なく、深刻な拷問や暴行の苦しみに曝されることになる。

収監者は保衛部で予審を含む各種の調査を受けるため調査室や拘留場に入れられるが、この二つの場所皆で拷問を受けたり暴行を受けることになる。 保衛部の勤務者側では自分が欲しい情報を短期間に容易く得ようと、物理的な暴力を頻繁に使う。 暴行の道具としては、拳骨や軍靴を履いた状態で足蹴りをしたり、木の棒を使うケースが多い。 厳重な政治犯罪容疑者の場合、時々電気こん棒のような別途の拷問道具が使われたりする。

また、拘留場の中では暴行だけでなく‘団体罰’のような苛酷な行為が加えられることもある。 大体、拘留場内で収監者らを管理・監督するのは‘警護’たちの役目なので、拘留場では主に彼らの手により拷問や暴行がくり広げられる。 処罰の理由としてはよく、姿勢が乱れたとか、隣の人と話したとか、許可なしにトイレに行ったなどであり、時には収監者同士の物々交換、体の中に隠し持っていたお金が見つかったり、食べ物を分けて食べたなどの理由でも処罰される。

時には担当保衛員が調査の過程で自身が望む事実を明らかに出来ない場合、警護員に収監者を拷問または、暴行を加えるよう指示したりする。 また、このような拷問や暴行は、警護員の性格や気分のような感情的要因によって処罰の有無と頻度、強さ、種類などが決ったりする。 処罰の種類としてはよく、不動の姿勢を維持させたり、給食処罰、睡眠をさせない等がある。 拘留場内の暴行には警護による暴行の他にも、上の事件にあるように警護員の指示による収監者同士の暴行も含まれる。

北朝鮮人権情報センターの「NKDB統合DB」によれば、2011年8月を基準に拷問および暴行にあった事件は2,496件と記録されている。


1.不法拘禁

「市民的および政治的権利に関する規約(B規約)第3部第9条1項」
- すべての人は身体の自由と安全に対する権利を持つ。 誰でも恣意的に逮捕されたり、または抑留されない。 どこの誰も法律に定めた理由および手続きに従わずに、その自由を剥奪されない。

「市民的および政治的権利に関する規約(B規約)第3部第9条5項」
- 違法に逮捕され又は抑留された者は、賠償を受ける権利を有する。

市民的および政治的権利に関する規約(B規約)第3部第10条1項
- 自由を剥奪されたすべての人は人道的に、また人間の固有な尊厳性を尊重して取り扱われる。

2.拷問および暴行

「世界人権宣言第5条」
- 何人も拷問および残酷な非人道的な、または屈辱的な待遇や処罰の対象になってはならない。

「市民的および政治的権利に関する規約(B規約)第3部第7条」
- 何人も拷問または残酷で非人道的な、または屈辱的な取り扱い、または刑罰を受けない。 特に誰もが自身の自由な同意なしに、医学的または科学的実験を受けない。

「拷問およびその他の残酷で非人道的な、または屈辱的な待遇や処罰の防止に関する協約」

3.加害容疑者

「朝鮮民主主義人民共和国刑法第7章 一般行政管理秩序を侵害した罪、第2節管理従事者の職務上の罪、第283条(故意による重傷害罪)」
- 故意に人の生命に危険なほどの重傷を負わせたり、目、耳、その他の機能を失わせたり、顔にひどい傷跡をしたり、精神病を起こさせたり、労働能力を顕著に落とさせた者は5年以下の労働教化刑に処する。 前項の行為で被害者を死に至らしめたり、前項の行為を残忍な方法で行ったり、または共謀したり、色々な人に重傷を負わせた場合には5年以上10年以下の労働教化刑に処する。 情状が重い場合には10年以上の労働教化刑に処する。

「朝鮮民主主義人民共和国刑法第9章 公民の生命財産を侵害した罪、第1節生命、健康、人格を侵害した犯罪、第285条(正当防衛超過中傷害罪)」
- 正当防衛の程度を越えたり、職務執行上必要な程度を越える行為をして、人に重傷を負わせた者は2年以上10年以下の労働教化刑に処する。 情状が重い場合には2年以上の労働教化刑に処する。




HOME

守る会

組織
呼びかけ
会則
入会のご案内
脱北者あしなが基金
帰国事業訴訟支援

NEWS

北朝鮮最新情報

デイリーNK、開かれた北朝鮮放送等の情報です。

帰国者の証言

音声・動画ファイル

集会案内

守る会および関係諸団体の集会の案内です。

声明

守る会の声明です。

かるめぎ

守る会の機関誌「かるめぎ」を紹介します。

光射せ!

守る会の理論誌「光射せ!」を紹介します。

北韓人権

北韓人権市民連合ニュースレターの紹介

資料集

書籍/映像紹介

リンク集

過去ログ

旧ホームページのすべてを収蔵しています。ただし、一部古くなっている情報もありますので、疑問の点はお問い合わせ下さい。

光射せ!


News RSS

 

管理

This site is powered by CMS Designer.