北朝鮮人権情報センターニュース(27)国境警備兵キムヒョンチョル中佐、脱北女性幇助の罪で公開処刑  

└ 2013-01-01 09:26

北朝鮮人権情報センターニュース(27)国境警備兵キムヒョンチョル中佐、脱北女性幇助の罪で公開処刑 

事件の概要

2009年陰暦正月15日(小正月)に当時23才だったキム・ヒョンチョル中佐は北朝鮮女性8人が脱北するのを幇助した疑いで、100発の銃弾を撃たれ公開処刑される。

事件の発生時期および場所

発生時期(期間) : 2009年2月9日(陰暦の正月15日)

発生場所 : 咸鏡北道(ハムギョンプクト)茂山郡(ムサングン)篤所里(トクソリ)朝鮮人民軍国境警備隊27旅団10大隊駐屯地域

人権侵害の類型

権利の類型 : 生命権

侵害の類型 : 司法的執行

細部な項目 : 公開処刑

2004年度入隊して咸鏡北道茂山郡篤所里に駐屯する朝鮮人民軍国境警備隊27旅団10大隊6中隊3小隊で軍に服務中だったキム・ヒョンチョル中佐は、国境を越えて中国へ脱北しようとしていた女性8人から賄賂を貰い、彼女たちの脱北をほう助した罪で27旅団保衛司令部に召還された。キム・ヒョンチョルは警備業務をしている最中、豆満江(トゥマンガン)を渡っていく間の安全保証のために、自分に賄賂を提供するという北朝鮮女性8人の頼みを受け入れ、彼女たちの脱北を阻止しなかった。これは北朝鮮刑法233条非法越境保障罪に該当する行為であった。しかし処刑直前行なわれた公開裁判で、裁判部(所)はキム・ヒョンチョルに誘拐罪と人身売買罪を適用した。

2009年2月9日朝鮮人民軍国境警備隊27旅団10大隊所属機動軍隊の軍人10人は、咸鏡北道茂山郡篤所里に用意された処刑場所へ引きずり出され、杭に縛られたキム・ヒョンチョルに向かってそれぞれ10発ずつ発射し、銃殺執行が終わるや執行部は参観していたすべての軍人に、キム・ヒョンチョルの死体に石を一つずつ拾ってから投げて置くように命令した。

“半殺しにされてから(処刑場所に)出て来るんですヨ。自分では歩けません。横から二人が支えて出て来て、杭に縛りました。10大隊起動軍隊の軍人10人が出て10発ずつ撃ちました。見せしめに軍人たちの前で銃声を上げなければならないからやったということです。年の初めに軍人を教養するという目的といいます。とにかく完全に何、30メートルにもならない距離から10人が10発ずつ撃つのだから、死体があまりに無残な姿をさらけだしました。その上、軍人が石を一つずつ拾ってその上に置くのですから、石の墓になってしまいましたヨ。”

被害者

キム・ヒョンチョル(男、1987年生れ、平壌(ピョンヤン)出身、咸鏡北道駐屯朝鮮人民軍国境警備隊27旅団10大隊6中隊3小隊所属、現在死亡)

加害容疑者(機関)

朝鮮人民軍国境警備隊27旅団保衛司令部

情報提供者

情報提供者は上の事件を北朝鮮で直接目撃し、2011年韓国へ脱北した後これに対して証言したが、自身の身辺安全上の理由から実名の公開を許諾していない。

情報の出処 : (社)北朝鮮人権情報センター人権調査面接紙

情報受付時期 : 2012年4月

情報受付場所 : 北朝鮮人権記録調査室

情報受付方法 : 面談調査

情報取得および事件分析者 : 北朝鮮人権情報センター研究員

検証者 : 北朝鮮人権情報センター北朝鮮人権事件リポート検証委員会

北朝鮮当局は住民を統制するための手段として、公開処刑を広範囲で施行している。北朝鮮当局は公開処刑による社会統制効果を最大化するために、事前に公開処刑の日時と場所、公開処刑対象者の名前などを公開する。また公開処刑当日には、教化対象の人民たちを公開処刑の場所に動員させる。公開処刑には検察所、保安(警察)署、保衛部、裁判所などが参加し、主席団の後側には朝鮮人民共和国の徽章を掲げておく。

裁判所では群衆に処刑対象者の経歴と罪名を知らせ、求刑と判決の手順を踏んで、あらかじめ準備しておいた判決文を朗読し、死刑の判決をした後に、処刑を執行する。処刑方法はほとんど銃殺刑が施行されていて、一部絞首刑が執行されることもある。

北朝鮮当局によって公開処刑されたほとんどの被害者は、北朝鮮の刑法上では死刑が許されていない犯罪行為をした人たちである。しかし彼らが公開処刑されてしまう理由は、2007年12月19日最高人民会議常任委員会政令第2483号で採択された『朝鮮民主主義人民共和国刑法付則(一般犯罪)』のためだ。刑法付則では特定犯罪の軽重によって、死刑を宣告できるようにすることで、ほとんどの犯罪行為に対して死刑の賦課を可能にさせた。北朝鮮政権は刑法付則を適用して、人身売買、麻薬密売、殺人などの犯罪行為者などに対して、公開処刑を実施している。

今回の事件の被害者キム・ヒョンチョルの行動は、人身売買や誘拐に該当しないが、誘拐罪を扱っている刑法290条を最も重く適用したとしても、武器労働教化刑に該当するだけだ。ところが刑法付則20条の場合、特に重い形態の誘拐罪に対しては死刑宣告を許諾しているので、誘拐罪に対しても公開銃殺が施行されることがあるのである。しかし刑法付則の23条項は、それ自体が既に反人権的な法条項であり、これは国家の統治のために制度的殺人を容認するための意図的な立法と解釈できる。

北朝鮮人権情報センターの「NKDB統合DB」によれば、2012年7月31日現在、司法的執行による死亡は2,947件で、その内公開処刑は2,554件である。

1.生命権

「市民的及び政治的権利に関する国際規約(B規約)第3部第6条1項」
- すべての人間は、生命に対する固有の権利を有する。この権利は、法律によって保護される。何人も、恣意的にその生命を奪われない。

「市民的および政治的権利に関する規約(B規約)第3部第10条1項」
- 自由を剥奪されたすべての人は人道的に、また人間の固有な尊厳性を尊重して取り扱われる。

2.加害容疑者

「朝鮮民主主義人民共和国刑法第7章一般行政管理秩序を侵害した犯罪 第2節 管理職員の職務上の犯罪 第253条(不法逮捕、拘束、捜索罪)」
- 法を管理する職員が不法に人を尋問したり、事件を誇張、捏造した場合に、は5年以下の労働教化刑に処する。

「朝鮮民主主義人民共和国刑法第7章一般行政管理秩序を侵害した犯罪 第2節 管理職員の職務上の犯罪 第255条(不当判決、判定罪)」
- 裁判所の職員が不当な判決、判定をした場合は、3年以下の労働教化刑に処する。情状が重い場合には、3年以上8年以下の労働教化刑に処する。




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