北朝鮮人権情報センターニュース(31)崔(チェ)ハクソン、拷問や暴行から免れようと釘を飲みこんだ後、後遺症で死亡 

└ 2013-06-15 08:08

北朝鮮人権情報センターニュース(31)崔(チェ)ハクソン、拷問や暴行から免れようと釘を飲みこんだ後、後遺症で死亡

事件の概要

咸鏡北道(ハムギョンプクト)慶源郡(キョンウォングン)保衛部の拘留場に拘禁された被害者崔ハクソンは、拷問を避けるために釘を飲み込む自害行為により、結果的に2008年10月死亡。

事件の発生時期および場所

発生時期(期間) : 2008年 10月

発生場所 : 咸鏡北道慶源郡国家安全保衛部

人権侵害の類型
権利の類型 : 生命権
侵害の類型 : 他の直接的行動による死亡
細部な項目 : 拷問と蛮行の結果

被害者崔ハクソンは2007年9月逮捕され咸鏡北道慶源郡(セッピョル郡)保安署の拘留場に拘禁された。崔ハクソンが逮捕される背景には崔ハクソンの友人で慶源郡石炭鉱業基地54部基地長である金(キム)チョルファンの松茸密輸事件があった。金チョルファンは保衛司令部の保護の下、松茸密輸をしたかどで保衛部に摘発され2007年5月逮捕された。保衛司令部はこの事件を隠蔽しようとしたが保衛部では金チョルファンに対する大々的な捜査を始め、その一環として友人であり、また他の松茸密輸組織の一員である崔ハクソンも保安署の拘留場に拘禁されたのである。2008年5月保衛部に移管された崔ハクソンは金チョルファンの不正と関連して尋問を受ける中、激しい殴打と拷問にあい2008年9月、釘を飲み込んで自害を試みた。慶源郡の軍保衛部は拘留場の中で崔ハクソンの手術をしたが崔ハクソンは状態が悪化し2008年10月死亡した。

“実際この人は無念な死で... 何も、反国家行為とかそんなことしたことありません。ただ密輸をしただけで何かあつれき関係から、鯨の喧嘩にエビの背がはじけるという感じでした。保衛部と保衛司令部とのあつれき関係がからんで。4ヵ月以上も余りにひどく殴打するので、とても耐えられずクギを飲み込みました。拷問があまりに辛くて... 警護が崔ハクソンを強く殴りました。 2008年の夏に保衛部で拘留場生活をした人なら皆知っています。クギを飲み込んだら腹の中で腐って行くから手術を拘留場でして、それで... 拘留場から手術した患者を表には出せず(病気保釈で外に送り出しもせず)... そのまま死ねというのでしょう

被害者

崔ハクソン1968年1月30日生、男、咸鏡北道慶源郡龍北区(ヨンブック)

加害容疑者(機関)

安(アン)チョングク(1976年生れと推定、男、咸鏡北道慶源郡居住、咸鏡北道清津(チョンジン)生れ、当時慶源郡軍保衛部警護、現在の会寧市(フェリョンシ)国家安全保衛部保衛指導員)
朴(パク)ソンチョル(1970年生れと推定、男、咸鏡北道慶源郡居住、慶源郡国家安全保衛部保衛指導員)

情報提供者

・ 情報提供者は上の事件を北朝鮮で直接目撃し、韓国に脱北した後これに対して証言したが自身の身辺安全上の理由から公開を許諾しなかった。

情報の出処 : (社)北朝鮮人権情報センター人権調査面接紙

情報受付時期 : 2013年1月

情報受付場所 : 北朝鮮人権記録調査室

情報受付方法 : 面談調査

情報取得および事件分析者 : 北朝鮮人権情報センター研究員

検証者 : 北朝鮮人権情報センター北朝鮮人権事件リポート検証委員会

この事件は死亡原因が、被害者の生命を剥奪するための加害者の故意の行動によるものではなく、間接的な行為の結果で発生したケースである。 NKDB統合人権DBの他の直接的行動による死亡は拷問と蛮行の結果、心理的苦痛の悪化による死亡、過失に因った死亡、食べ物拒否の死亡及び食べ物の提供拒否、適正治療の不備による死亡、強制的な環境と圧泊による自殺、失敗による殺害、劣悪な作業環境による死亡などに類型化している。 NKDB統合人権DBによれば、拷問と蛮行の結果による死亡事件の38.5%が国家保衛部及び人民保安部調査及び拘留施設で発生したものと集計され、色々な拘禁施設の中で1位を占める。次に集結所15.8%、教化所15%、鍛練隊12.6%の順で、拷問と蛮行の結果による死亡事件が多く発生することが明らかになった。これは拘禁施設内で拷問が非常に広範囲に行われているだけでなく、人命被害にまで及ぶ強度の拷問も行なわれていることを意味する。 今回の事件のように収監者が拷問を避けるために犬釘やその他、金属を飲み込む類似した事例がNKDBの人権調査で相当数報告されている。多くの場合は病気保釈で拘禁施設から抜け出て、拷問を免れようとする意図の下にこのような自害行為をするものと見られ、実際に相当数が病院に移送され手術等の治療を受けることになる。しかしこのような行動が死亡にまで及ぶことを勘案すれば、収監者に対する拷問の強度がどれくらい苛酷なのか察することができる。 北朝鮮人権情報センターの「NKDB統合人権DB」によれば2012年7月を基準に、他の直接的行動の結果で死亡した事件は全てで1,209件、生命権侵害4,463件の内27.1%を占め、この中で拷問と蛮行の結果による死亡事件は247件に達する。

1.生命権

市民的及び政治的権利に関する規約(B規約)第3部第10条3項1節
- 行刑の制度は、被拘禁者の矯正及び社会復帰を基本的な目的とする処遇を含む。

「市民的及び政治的権利に関する国際規約(B規約)第3部第6条1項」
- すべての人間は、生命に対する固有の権利を有する。この権利は、法律によって保護される。何人も、恣意的にその生命を奪われない。

2.拷問および暴行

「世界人権宣言第5条」
- 何人も拷問および残酷な非人道的な、または屈辱的な待遇や処罰の対象になってはならない。

「市民的および政治的権利に関する規約(B規約)第3部第7条」
- 何人も拷問または残酷で非人道的な、または屈辱的な取り扱い、または刑罰を受けない。特に誰もが自身の自由な同意なしに、医学的または科学的実験を受けない。

市民的及び政治的権利に関する規約(B規約)第3部第10条1項
- 自由を剥奪されたすべての者は、人道的にかつ人間の固有な尊厳性を尊重して、取り扱われる。

「拷問およびその他の残酷で非人道的な、または屈辱的な待遇や処罰の防止に関する協約」
- 自由を剥奪されたすべての者は、人道的にかつ人間の固有な尊厳性を尊重して、取り扱われる。

3.加害容疑者

「朝鮮民主主義人民共和国刑法第9章 公民の生命財産を侵害した罪、第1節生命、健康、人格を侵害した犯罪、第285条(正当防衛超過中傷害罪)」
-正当防衛の程度を越えたり、職務執行上必要な程度を越える行為をして、人に重傷を負わせた者は2年以上10年以下の労働教化刑に処する。 情状が重い場合には2年以上の労働教化刑に処する。

「朝鮮民主主義人民共和国刑法第7章一般行政管理秩序を侵害した犯罪 第2節 管理職員の職務上の犯罪 第253条(不法逮捕、拘束、捜索罪)」
- 法を管理する職員が不法に人を尋問したり、事件を誇張、捏造した場合に、は5年以下の労働教化刑に処する。



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