北朝鮮人権情報ニュース(37) 脱北女性ユ・ウンジュン、取り調べ中に治療が受けられず小指切断 

└ 2013-09-03 09:06

北朝鮮人権情報ニュース(37) 脱北女性ユ・ウンジュン、取り調べ中に治療が受けられず小指切断

事件の概要

ユ・ウンジョンは2008年1月14日中国から北朝鮮に渡って来る途中、両江道(リャンガンド)大紅湍郡(テホンダングン)付近の豆満江(トゥマンガン)近くで国境警備隊に逮捕され、2時間もの間、荷物捜索を受け手足が腫れたのに、適切な治療をして貰えず小指を切断する。

事件の発生時期および場所
発生時期(期間) :2008年1月14日

発生場所 : 両江道大紅湍郡国境付近

人権侵害の類型
権利の類型 :被疑者と拘禁者の権利
侵害の類型 :適切な医療サービス侵害
細部項目 :
被害者ユ・ウンジョンは2007年10月17日に中国に渡って行って居住していたが、2008年1月14日に北朝鮮に返ることを試みた。しかし両江道大紅湍郡国境大隊所属の小隊警備兵4人が、山に残された足跡を追って来て逮捕に至った。警備兵4人は現場ですぐ被害者を制圧し、雪の上に座れと指示した後、窃取を目的に2時間の間ユ・ウンジョンの荷物を捜索した。

捜査を受ける過程でユ・ウンジョンは手足が凍傷にかかり凍って腫れ上がったが、何の治療も受けられないまま大紅湍郡中隊、大隊、大紅湍郡保衛部、恵山市集結所に移送された。恵山の集結所病院でユ・ウンジョンは子指を切断しなければならないと診断されたが、費用のことが問題になり再び治療もなく普天郡の保安署に被害者を移送した。 結局ユ・ウンジョンは治療のために保安署から釈放され、祖父の時計を売ったお金でタバコを購入し、両江道白岩郡(ペグァムグン)の結核療養所所長に渡した後、子指を切断することができた。

“だからあの人は、子指が凍って真っ黒に死んで切ってしまったそうだヨ。結核療養所があったので、療養所の所長に祖父がしていた時計を売ってから、その金でタバコを買って持って行って切ったと。”

被害者情報
ユ・ウンジョン(女、1991年生れ、両江道普天郡出身)

加害容疑者(機関)情報
両江道大紅湍郡国境大隊所属小隊警備兵4人所
両江道恵山市(ヘサンシ)集結所

情報提供者の情報
情報提供者は上の事件を北朝鮮で直接目撃したし、韓国に脱北した後これに対して証言したが、自身の身辺安全上の理由から公開を許諾しなかった。

情報の出処 : (社)北朝鮮人権情報センター人権調査面接紙
情報受付時期 : 2013年6月
情報受付場所 : 北朝鮮人権記録調査室
情報受付方法 : 面談調査
情報取得および事件分析者 : 北朝鮮人権情報センター研究員
検証者 : 北朝鮮人権情報センター北朝鮮人権事件リポート検証委員会

この事件は二種類の観点から人権侵害が発生したケースだ。第一に、不法な押収及び捜索である。北朝鮮の刑事訴訟法では、捜索及び押収をする場合、その目的に符合しなければなければならないと規定しているのにも関わらず、警備隊員や公安機関員の私利私欲のために恣意的に執行されることが多い。また押収過程では、暴行や苛酷な行為が伴う場合が多く、押収された物品は捜索者個人が所有したり上官への賄賂に使われる。

第二に、拘禁者に対する適正治療が不備だったという点だ。 実際に多くの収監者たちは、劣悪な環境と不備な食糧提供などのせいで、身体が虚弱な状態になって拘禁施設に移送される。しかし集結所にも診療室や専門医療スタッフが備えられてないケースが多く、収監者が適切な医療サービスを受けるのは難しい。ましてや集結所の管理者は、収監者を罪人として見るので、本当に必要な医薬品提供さえせずに、ただ収監者がひどく痛がる場合には本人に加えられる管理がおろそかという処罰を免じるために、病気保釈として、しばらく釈放したりする。

北韓人権情報センターの「NKDB統合DB」によれば、2013年7月まで拘禁施設で適切な医療サービスが侵害された事件は319件に達する。

1.押収及び捜査
○朝鮮民主主義人民共和国 刑事訴訟法 第7章 予審、第7節 捜査と押収 第216条 (捜査、押収の目的及び事由)」
-犯罪者を探し出し犯罪を明らかにするために捜査、押収をする。捜査は犯罪者が隠れており、犯罪を明らかにするのに必要な物件、文書があると認めるのに充分な根拠がある場合、押収は事件解決に意義のある物件、文書を出すことに対する要求に応じない場合にすることができる。
○朝鮮民主主義人民共和国 刑法第7章 一般行政管理秩序を侵害した罪 第2節 管理職の職務上の罪 第252条(不法逮捕、拘束、捜索罪)
-法従事者が不法に人を逮捕、拘束、拘引したり、体もしくは住居を捜索したり財産を押収、没収した場合は2年以下の労働教化刑に処する。前項の行為を何度も行ったり、前項の行為で社会的物議をかもした場合は、3年以下の労働教化刑に処する。
2.医療サービス
○「朝鮮民主主義人民共和国刑法第6章 社会主義文化を侵害した罪、第209条(医療事故罪)」
-医療従事者が治療と看護を不誠実にしたり、誤ったり、薬を誤って与え患者の健康に害を与えた場合には、2年以下の労働鍛練刑に処する。前項の行為で患者を死に至らしめた場合には、3年以下の労働教化刑に処する。




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