北朝鮮人権情報センターニュース(44)地下キリスト教会を支援していた李ワングクが保衛員に撲殺される 

└ 2013-09-23 08:25

北朝鮮人権情報センターニュース(44)地下キリスト教会を支援していた李ワングクが保衛員に撲殺される 

事件の概要

李ワングクは平壌(ピョンヤン)から平安南道(ピョンアンナムド)文徳郡(ムンドックン)に移住した後、平壌のキリスト教徒らと共に全国的に広まっているキリスト教徒たちを支援して来た。平安南道文徳郡保衛部では、李ワングクが韓国の勢力とつながっていると疑って、以後李ワングクは平安南道の道保衛部に移管され調査を受けた。その過程で激憤した保衛員が、金槌で李ワングクの頭を殴って即死させた。

事件の発生時期および場所
発生時期(期間) : 1997年

発生場所 : 平安南道 道保衛部

人権侵害の類型
権利の類型 : 生命権
侵害の類型 :即決処刑
細部な項目 :偶発的衝動的殺害

李ワングクは平壌で篤実なキリスト教の家庭で育ち、平安南道文徳郡に移住して来て、工場のボイラー工として働いた。彼は文徳郡でも引き続き平壌のキリスト教団体と接触し、全国のキリスト教信者を支援する役割をした。そうしている間に1994年頃、李ワングクが勤めていた工場の煙突に‘金日成打倒’という大きい文字が書かれていたという事実が知られ、平安南道文徳郡保衛部は李ワングクが韓国のキリスト教と内通しているか疑うようになった。その後1997年、保衛部が李ワングクを逮捕した後、被害者の家を捜索すると平壌のキリスト教徒たちの名簿が発見され、事件の深刻性により李ワングクは平安南道平城市(ピョンソンシ)に位置する道保衛部で調査を受けるに至った。 調査の過程の中で彼はキリスト教を引き続き信じると答えたし、これに激憤した保衛員が金槌で被害者の後頭部を殴り、李ワングクはその場で即死した。調査が始まって3日目のことで、李ワングクの妻張英愛(チャン・ヨンエ)と子供たちには、燿徳(ヨドク)収容所で死亡したと知らされた。

“李ワングクは平壌のキリスト教団体と連係があったが、これを文徳郡保衛部で知りました。それで調査を受けていて、「キリスト教を信じ続けるのか」と保安員が尋ねると、「そうだ」と答えたので、保安員が金槌で頭を殴り、すぐに殺してしまいました。家族には燿徳に連行されて死んだと...”

被害者
李ワングク(男、1940年生れ、平安南道文徳郡居住)

加害容疑者(機関)

平安南道 道保衛部

情報提供者
・情報提供者は上の事件を北朝鮮で直接目撃し、韓国に脱北した後これに対して証言したが自身の身辺安全上の理由から公開を許諾しなかった。

情報の出処 : (社)北朝鮮人権情報センター人権調査面接紙
情報受付時期 : 2004年
情報受付場所 : 北朝鮮人権記録調査室
情報受付方法 : 面談調査
情報取得および事件分析者 : 北朝鮮人権情報センター研究員
検証者 : 北朝鮮人権情報センター北朝鮮人権事件リポート検証委員会

北朝鮮は、法的に宗教の自由を保障するといっているが事実上守られていない。北朝鮮ではマルクスの宗教観に従って、宗教を「アヘン」と規定したり、科学的な根拠がない迷信行為と見なして、宗教活動を弾圧して来た。その結果、北朝鮮では宗教活動のための施設や宗教家が痕跡を隠した。鳳水(ポンス)教会と長忠(チャンチュン)大聖堂など、一部の宗教施設が1980年代から建てられたが、これは国際的圧力に対応するための宣伝用の施設であって、自由な宗教活動を保障する施設ではない。純粋な宗教活動は北朝鮮当局に見つからないように密かになされていて、合法的に宗教施設を訪問できる権限は少数の北朝鮮住民だけに与えられているので、他の一般住民たちは家庭内の礼拝所、地下教会を利用したりする。

北朝鮮内で宗教生活をした事実が摘発されたり、強制送還後の調査過程で宗教活動に関連した事実が明らかになった場合、最終刑量が下される前まで、他の罪人に比べて調査過程で起きる人権侵害が深刻である。共に宗教生活をした信徒たちの名簿を告白させたり、隠し持っている宗教関連の物品を捜し出すために長い期間、調査機関で各種や拷問と殴打を行い、その過程で被害者が死亡したりする。

宗教に接した人に対する処罰は、主に政治犯収容所に拘禁されたり、生死さえ確認するのが困難なケースが多かった。失踪した人たちは大多数、未詳の場で非公開に処刑されたり、政治犯収容所に拘禁されたと見られる。また政治犯収容所に拘禁されなくても、一般住民に見せしめとして公開処刑にされたり、重刑を宣告され教化所に収監されるケースもたびたび報告されている。

北朝鮮人権情報センターの「NKDB統合DB」によれば、2013年7月を基準に、宗教迫害関連事件は1,034件であり、宗教伝播120件、宗教物品所持246件、宗教活動517件、宗教家との接触51件と記録されている。

1.宗教迫害

「市民的および政治的権利に関する規約(B規約)第18条1項」
-すべての人は思想、良心および宗教の自由に対する権利を持つ。このような権利は自ら選択する宗教や信念を持ったり受け入れる自由と、単独でまたは他の人と共同で公的または私的に礼拝、儀式、行事および宣教によって、その宗教や信念を表明する自由を含む。

「市民的および政治的権利に関する規約(B規約)第18条2項」
-どこの誰も自ら選択する宗教や信念を持ったり受け入れる自由を侵害される強制を受けない。

朝鮮民主主義人民共和国社会主義憲法 第5章 公民の基本権利と義務 第68条」
- 公民は信仰の自由を持つ。この権利は宗教の建物を作ったり宗教儀式のようなものを許容することで保障される。宗教で外勢を引き込んだり国家社会の秩序を害することには利用できない。
2.加害容疑者
「朝鮮民主主義人民共和国 刑法第9章 公民の生命財産を侵害した罪、第1節 生命、健康、人格を侵害した罪、第281条 正当防衛超過殺人罪」
- 正当防衛の程度を超えたり職務執行上、義務実行上必要な程度を超えた行為を行い、人を殺した者は3年以下の労働教化刑に処する。






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